にわかファンの「ラグビーってさ~」がラグビーの人気定着に欠かせないワケ

2019年9月20日にラグビーワールドカップが開催され、日々大きな盛り上がりを見せています。2015年にイングランド大会にて南アフリカとサモアを破るなど快進撃を見せ、五郎丸選手を始めとしたスター選手も大きな話題となりました。

その頃からよく耳にするようになったのが「日本でラグビーの人気が定着するのか」という話です。

  • 小学生や中学生でラグビーに触れる機会が少ない
  • スター選手が少ない
  • ラフで危険なスポーツと認識されている
  • ルールが難しい

統計を取っているわけではないのですが、上記の理由などから「盛り上がりはするけど、日本でラグビーの人気は定着しない」と多くのところで言われている印象です。

ただ、ラグビーは日常的の中での登場回数を増やしさえすれば、私は人気は定着すると考えています。

ラグビーの日常への進出がカギ

先に上げた理由も含め、今のままでは2015年と同じようにラグビーワールドカップだけ話題となり、瞬間的な盛り上がりで終わってしまうと私も思います。

ですが、日常の中での接点を増やすことが出来れば

  • 身近なものと感じるようになる
  • 考える時間が増える
  • 心理的に好意を持ちやすくなる(ザイオンス効果)

上記の効果が表れますし、この効果こそラグビーの人気定着に大きく貢献すると言えるからです。

「日常の接点」がなぜ人気の定着に貢献するのか

接点の増加がもたらす効果は述べましたが、なぜそれが貢献するのかと言いますと、大きく分けて3つあります。

  • そもそも、ラグビーは人気を定着させるだけの高いポテンシャルを秘めている
  • 現時点のラグビーの盛り上がりを活用できる施策である
  • 他のスポーツでの成功事例がある

これらをそれぞれ解説していきます。

ラグビーの観客動員数はJ2に迫る

普段、生活をしている中ではラグビーと接点を持つことは他のスポーツと比べると少ないと思います。なので、実態を想像しづらいかと思いますが、以下のようなデータがあります。

ラグビー人気を計る尺度として試合の観客動員を見てみると、国内最高峰「トップリーグ」の2018-2019年シーズンは1試合平均5153人だった。サッカーJ2の1試合平均7049人(2018年)にもう少しで届きそうだ。基本的にアマチュア選手で構成される企業スポーツとしては、数字だけ見れば決して不人気競技ではない。だが、ラグビーの持つポテンシャルからすれば、もっともっと人気が出てもよいはずだ。

NEWSポストセブンより引用

データ面から判断すれば観客動員数は悪くなく、XFLAGなどの参入により、盛り上がりを見せているBリーグの各チームのホームゲーム平均観客動員数と比べてみてもラグビーの観客動員数は悪い数値ではないと言えます。

全国バスケ専門検索サイトより引用

大きく話題に上っているわけではありませんが、観客動員数の側面から見てみるとポテンシャルが高いことが分かります。なので、そもそも人気の基となるファンなどの母数が少なかったりすれば、定着は難しいかもしれませんが、きっかけさえあれば定着する土台がラグビーにはあるのです。

広まってもおかしくない要素がある一方で、Bリーグやバスケの方が接点としては多く、ラグビーよりは親しみもあると言えるため、その点はラグビーの大きな課題とも言えます。

大きな盛り上がりからライトを呼び込む

もう一つ、課題として挙げるのであれば、2015年に開催されたラグビーワールドカップでも様々なマーケティングを行い、大きな盛り上がりを見せました。しかし、下記のグラフを見ると分かるように、ワールドカップ終了後にはその盛り上がりは継続せず、下火となってしまいました。

2015年にラグビーワールドカップ、ラグビーW杯のいずれかでツイートされている件数

そして、2019年は大きくメディアが取り上げ、前回にはなかったパブリックビューイングなども設置され、前回よりも関連ツイートの件数は増しており、似た推移をたどっています。

2019年にラグビーワールドカップ、ラグビーW杯のいずれかでツイートされている件数
パブリックビューイングが設置された爆音ラグビー
PR TIMESより引用

前回の推移を繰り返さないためにも、今後重要になってくるのが現時点のラグビーの盛り上がりを活用できる施策です。

グラフ上では11月から大きく件数も減少し、コアなファンは自発的に情報を取りに行くと考えられますが、ライト層との接点は減少していると予想できます。時期を考えれば年末に向けたトピックなどに埋もれてしまったのだと思いますが、これでは今まで多くのライト層やファンと築いてきた接点がなくなり、関係も希薄になってしまいます。

例えば、このタイミングからSNSなどを中心としたUGC施策などを行い、ライト層やファンとのコミュニケーションを強化し、継続したつながりを持つことで接点を持続することができるでしょう。

また、SNSを活用している世代は次世代の購買を担う層でもあるので、その世代と交流を深めていくことで将来に向けた投資にもつながります。

他の人気スポーツでも見られる特徴

日本で人気のあるスポーツと言えば、サッカーや野球が真っ先に挙がると思いますが、サッカーや野球は友だちや家族、会社のメンバーと話題になることが多いでしょう。ワールドカップや特別な試合などがあるとき以外にも出てくることは珍しいことではありません。

その点を踏まえれば、明らかに日常生活においての接点がラグビーよりも多いのです。

先ほど、Bリーグの話をしたかと思いますが、Bリーグはサッカーや野球と比べるとさほど馴染みが無いかもしれませんが、「バスケ」となればラグビーよりも接点は多くなります。

試しに競技名がSNS上でどれだけツイートされているかそれぞれの件数を見てみましょう。

2018年ツイート件数

この件数で見ても大きく差が開いています。サッカーや野球では、リアルの場合、居酒屋などでファンが談議に花を咲かせているのはよく見る光景です。SNSでもニュースなどは流れてきますし、見かけない方が難しいでしょう。

また、バスケにおいてはサッカーや野球ほど、SNSで見聞きしなくても、競技がやりやすく、体育館やストリート、公園といった様々な場所でプレイを見ることができます。そのため、無意識のうちに接点を持つことは大いにあります。

上記のスポーツとラグビーを比べると、日常の接点を作ることが難しく、人気定着の大きな壁になっているのです。どちらかを打開し、接点を多くする必要がありますが、プレイを様々な場所で簡易的に行うといったバスケのような競技性を真似ることは無理に近いと言えます。

なので、ここでは他のスポーツで比較的、成功事例の多いSNSでの情報発信を参考にすることが有効です。近年、多くのチームがそれぞれに取り組み、様々な施策に注力して成功を収めています。

こうした成功事例があるので、いずれかを導入し、ハマらなければ別の事例を試し、とまさにトライ&エラーが早く行えるため、成功が見えやすい方法です。

まとめ

ラグビーの集客力を基盤として、それをSNSなどを交えて高める。そして、接点を増やすことでロイヤリティもしくはファン度を向上させていく。そうすることで、ラグビーがより身近なものとなり、街の中や会社のメンバーとの会話の中で「ラグビーってさ~」という声が聞こえてくるのではないでしょうか。

「ラグビーってさ~、奥が深いですね」