これからのマーケティングにはインフルエンサーよりも「1人のファンの熱狂」が必要なワケ

より多くの人に商品やサービスを届けようとするとき、みなさんはどんなマーケティング手法を使いますか?様々な選択肢があるかと思いますが、その中にはインフルエンサーマーケティングを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

インフルエンサーマーケティングは、今まで情報を受けるだけのことが多かったユーザーが自身で発信力を付けてきたことに加えて、企業からの一方的なコミュニケーションをユーザーが望まなくなっている中では、効果的な手法の一つだと言えます。

ですが、そのインフルエンサーがよほどにその商品などのファンでない限り、そこからの情報発信も企業の発信のようにPR感などが醸し出され、企業寄りになってしまうことも多々あるように感じます。

その点を踏まえるとインフルエンサーよりも純粋なファンの熱心な普及活動の方が重要度としては高いと言えるのではないでしょうか。インフルエンサーに選ばれやすい芸能人でも普段からそのことについて熱く語っていて、「こんなにも好きなんだ!好き過ぎてたまらない!」と公言している人の方がPR感を感じずに情報を受け取ることができるのではないでしょうか。

そんな人のことを「アンバサダー」と呼びます。よく概念としてはインフルエンサーと間違えられやすいのですが、アンバサダーとの違いなどを交えながら、「アンバサダーがマーケティングに必要なワケ」を紐解いていきます。

アンバサダーは「熱狂的なファンであり、インフルエンサーでもある」

そもそも、アンバサダーとは下記にあるように大使や使節、代表といったことを指します。

参考 アンバサダーの意味・解説 Weblio

ただ、ビジネスシーンでは

「商品やサービス(のブランドや販売元の企業)の熱烈なファン」

のことを指すともあります。他のサイトでは「熱狂的」と表現されることも、しばしばありますが、アンバサダーと定義されるファンは熱量を高く伴っていることが前提としてあるため、間違ってはいないと思います(行き過ぎるファンがいい!というわけではありません)

これを更に詳しく言えば、友人知人に自ら積極的に情報を拡散したり、無償で商品・サービスを勧めたりしてくれるような存在がイメージに近いです。

よく、アイドルのCDやグッズなどをまとめ買いして、周囲に推してくれるようなファンは、まさにアンバサダーと言えるでしょう。こちらが何を推すわけでもなく、自発的にこれらの行動を取ってくれることが特徴です。

サービスや商品を広めてくれる点では、インフルエンサーと似ていますが、決定的な差は

「熱狂的で」「自発的で」「継続的で」あることだと考えています。

インフルエンサーはアンバサダーと違い、フォロワー数やフォロワーの属性といった「可視化された拡散力」が強く影響します。
※ここでの可視化は数値化されているという意味で使用しています

芸能人が何かの商品を勧めているようなシーンが最も分かりやすい例ではないでしょうか。これは、もちろん定期的に契約を結んでいれば、熱心に継続して商品やサービスを勧めてくれると思います。

少し悪い言い方をすれば、自発的に商品を勧めることはせず、あくまで契約に則ったことを全力で行ってくれます(これが悪いと主張しているわけではありません。むしろ、それはインフルエンサーとして素晴らしいと思います。)

それとは対照的にアンバサダーは「可視化された拡散力」よりも数値化などが難しい「愛情度」「熱量の高さ」といったものが強く影響します。

少し過ぎた言い方かもしれませんが、商品やサービスに対して「熱狂的」でさえあれば、総じてアンバサダーと言えるのです。芸能人のように有名であろうとなかろうと関係なしに、純粋な愛情や熱量でどうかが決まるのです。

もちろん、自発的にPRだったりを行うインフルエンサーだっているよ!と思われる方もいらっしゃるかと思います。

恐らく、その場合は商品やそのサービスに接するうちに「好き」になって、自発的に行動を起こすようになったのではないでしょうか。その感情を抱いているのであれば、それはもうインフルエンサーというよりはアンバサダーの役割に近いでしょう。

人間関係に置き換えれば、赤の他人よりも知人、知人よりも友人、友人よりも家族や恋人のための方が自発的に利害など関係なしに行動を起こしていきやすくなるでしょう。

アンバサダーは人間関係でいうところの家族や恋人くらいの温度感を持った人なので、「好き」という感情の度合いにもよりますが、少なからず自発的に行動をし出すのであれば、インフルエンサーの動きよりもアンバサダーの動きに近いと言えます。

共創の今だからこそ、一緒に盛り上げるアンバサダーマーケティングが必要

企業とユーザーの関係と言うのは時間の経過とともに変化しています。アンバサダーが必要だと主張するのには、「共創」というのが叫ばれるようになった今だからというのが最大の理由です。

企業がユーザーの声に耳を傾け、改善を繰り返し、ファンに喜んでもらえるものを共に作り上げていくことが多く見受けられるようになってきました。最近よく聞く、ユーザーファーストの考え方が広まったことも背景にはあると思います。

熱量の高いファンであれば、さらに良くなるよに尽力してくれますし、良いも悪いも知った上で動いてくれることでしょう。

基本的には自社からユーザーに働きかけるのではなく、アンバサダー対ユーザーという構図になります。企業が顧客の中からアンバサダーを選定し、ユーザーにSNSや動画サービスなどを使用してPRをしてもらいます。

ただ、ここで一つ問題があります。

ひっくり返すようなことを言いますが、本来は自発的にアンバサダーのような動きをしてくれるファンが出てきてくれるのが一番良いのですが、なかなか簡単にそういったファンが勝手についてくれることは難しく、何かのきっかけを企業側が作る必要があります。

例えば、よくあるのは企業が顧客の中からアンバサダーを選定し、自社からユーザーに働きかけることはせず、「アンバサダー対ユーザー」という構図の基に、SNSや動画サービスといった媒体などを使用してPRをしてもらいます。

このときに選定する基準として、拡散力などは見ずに、本当に自社のファンなのか、愛情を持っているかという点のみで判断を行います。
※公序良俗に反しているなどは論外ですが

多くの中からアンバサダーに選ばれた人は大きなモチベーションとなり、それだけで承認欲求が満たされに満たされます。より熱狂度の高いファンとなり、質の高いファンと一緒に盛り上げることができるようになります。アンバサダーマーケティングの成功はまさにこの形に持っていくことと言えます。

唯一のデメリット?選定がカギとなる

熱狂的なファンの積極的なPRが期待できるマーケティング手法ですが、デメリットも少なからず存在します。それは「アンバサダー」を見つけることが難しいということです。

一般的には「アンバサダー」を募集するキャンペーンなどを実施しますが、SNSでの発言や行動、反応から選別するのもよいでしょう。後者で探す場合は以下のような動きに注目します。

  • 多くの人に働きかけをしてくれている
  • 良い点と悪い点の双方を理解している
  • キャンペーンなどの企業の動きに敏感である
  • エンゲージメントが高い

これらの要素を満たしているファンに、アンバサダーになってもらうといいでしょう。

選定には、ある程度の顧客の母数が必要になります。当たり前ですが、様々なファンがいる中で、アンバサダーマーケティングでは熱狂的なファンが重要です。

選定するために口コミのネタとなる話題を提供することも時には必要になるかもしれませんし、その中からこちらの望む強い反応をしてくれているユーザーを見出していくといったことに時間を割くことも大事です。

自社にとっての熱狂的なファンを最初から定めておく必要があります。

それこそ、アンバサダーのペルソナのようなものを作成して、それを基にファンを探していくと効果的です。

まとめると

アンバサダーマーケティングは、熱狂的なファンと共創していく今の時代に即した手法。

今後、ますます顧客との関係値が重要となってくると思いますが、ユーザーの力が強くなり、広告に困っている企業にとって大きな光明となる得るのが「アンバサダーマーケティング」なのではないでしょうか。