あの日本コカ・コーラが酒類に進出?そこから見えたのはテストマーケティングのポイントだった!

既にご存知の方も多いかと思いますが、 7月22日に日本コカ・コーラは10月を目処とした酒類市場への本格参入に向けた準備を進めていると明らかにしました。

参考 日本コカ、酒類本格参入へ=秋めどに全国で缶酎ハイ時事ドットコムニュース

上記の記事にもある通り、昨年の5月から九州限定でレモンサワー専門ブランド「檸檬堂(れもんどう)」の試験販売を行っており、競争は厳しいとしながらも「自社の成長を維持するために参入の検討をしている」と述べています。

世界中のコカ・コーラカンパニーの中でアルコール事業に本格参入した事例は今までになく、今回の日本が初のため、特に大きな話題を呼んでいます。

さて、ここで注目したいのが、日本コカ・コーラが昨年の5月から九州限定でレモンサワー専門ブランド「檸檬堂(れもんどう)」の試験販売(テストマーケティング)を行っていたという点です。大手企業なら多少の失敗でも痛くないのに…といった声が聞こえてきそうですが、その予想と事実は異なるのです。

大手企業でも行っているテストマーケティング。今回はその重要性について見ていきたいと思います。

テストマーケティングは自社のリスクを未然に防ぐ

日本コカ・コーラが九州限定での販売を行ったのには多くの理由が存在すると思いますが、大元には「リスクを未然に防ぐ」という思惑があったと考えられます。

企業として避けたいこととして、無駄や損失が出ることが挙げられますが、そのリスクに対処できるのがテストマーケティングです。「売れない商品」などは無駄や損失を生み出す可能性が非常に高く、販売実績のない新商品は売れ行きは正確には分かりません。

コカ・コーラの例で言えば、根拠も無しに全国のコンビニエンスストアやスーパーマーケットなどで新事業の新商品を出すことは非常にリスクが高いです。 一つの商品を作るにしても相当なコストが掛かりますし、それが「売れない商品」であった場合には投資した分を回収できずに撤退を余儀なくされることもあります。

これらを未然に防ぐための対策が「テストマーケティング」です。

こういった背景から日本コカ・コーラはテストマーケティングを一般的な計測期間と言われる1年を目処に続け、新商品の売れ行きを随時確認した上で、今回の全国展開に踏み切ったと考えられるでしょう。

日本コカ・コーラが九州を選ぶにはワケがある!

一般的にはテストマーケティングを行う際には、下記にも書かれている通りで、全国市場に近い傾向が見られる「静岡県」がよく選ばれ、代表的な都市が選択されることもよくあります。

参考 テストマーケティングの地域や期間はどう設定するべきかブランディングアカデミー

しかし、日本コカ・コーラはどちらの例にも当てはまらない「九州」という地域を選択しています。実はここにテストマーケティングを成功させるポイントが潜んでいます。

九州地方にある県の県民性を見てみると、新しいもの好きである傾向が見られる県が3つ入っています

参考 県民性Wikipedia

これは、全国的に平均を取っている県を選択するのではなく、「テストしたい商品やその背景に沿った人がいる地域」を選択しているのです。

今回は世界で見ても初であるコカ・コーラのお酒を販売するにあたり、単純な全国の平均を見るよりも新しいものが好きな人に好んでもらえるのかをテストしていたのでしょう。

実際には日本コカ・コーラでは九州地方を「認知度が低い商品でも受け入れてくれるエリア 」としています。このことからも県民性や地域性までを考慮したテストマーケティングを行っていることが分かります。

まとめ

こうした設計からテストマーケティングは行われ、全国の「新しいもの好き」に展開される頃には大きな成果が出ていることでしょう。

今後のマーケティングでは偏愛が注目されているため、単純な平均を取ったテストマーケティングよりも何かに尖ったテストマーケティングが行われていくのではないでしょうか。