プロスポーツはメルマガが効果的。それが分かるのに手数や時間は掛からなかったという話

SNSが普及したことによって、ファンやお客様との交流が簡単に行えるようになりました。それにより関係を築きやすくなり、以前は「便利」「使いやすい」 といった理由でサービスや商品の使用をしていたものが、今では明確に「気に入っている」「企業が好き」 という理由で使用している人が増えてきました。

さらに言えば、SNSの重要性は年々高まり、マーケティング活動の一部として導入することは最早スタンダードになっているのではないでしょうか。

そんなあるとき、お付き合いさせていただいているクライアント様から、

「ECのメルマガの売上が、前年より落ちていてあまり良くない」「売上を増やしていきたい」とご依頼をいただきました。

今時、メルマガ?とここで思われる方も多いかと思いますが、実は業界によってはメルマガなどの訴求の方が強く、売上の柱となっていることは多いのです。プロスポーツ業界もその一つと言えます。

開封率とか微妙じゃない?と思われるかもしれませんが、これがまた面白いことに、50%とか60%とか平気で出ます。

色々なサイトを見ても、一般的にメルマガの開封率は15~20%前後と言われていることが多いので、非常に高い数値だということが分かります。

しかも、これだけではなくクリック率も高い傾向にあります。一般的なものだと2~3%前後くらいだと思いますが、10%以上は出ていることが多いです。載せている内容にもよりますが、平均するとこれくらいです。

十分にこの数値だけでも柱になり得ることが分かるのではないでしょうか。

前置きが長くなりましたが、ここから本題に移ります。

売上を増やすなら、まずは現状を知る。けど、時間はかけない

ご依頼を受けて、着手したのは現状把握です。これは何をやるにしてもここから始まります。メルマガの売上を増やすと言っても、確立されているものがあるわけではないので、まずはどういう利用をされているかを調べました。

やることはどことも変わらないね、と思われそうですが、ここは変わりません。むしろ変えられません。料理をするとなったときに使える食材は何なのかを知らなければ、何も作れないのです。

収集したデータとしては、

・Googleアナリティクス
・販売実績
・公開されている事例
・一般的なデータ
・メルマガの利用者データ

結果、大きく分けると以下のことがわかりました。

・業界平均と比べると、開封率は約10%ほど低い
・開封したユーザーを見ると購入率は他の経路に比べて高い
・昨年比ではメルマガ配信の有無で合計の売上金額に差異が見られる
・ファンの主要層とメルマガの利用層が異なる

これを基に仮説を立てていきます。

もっと情報を集めて現状を深く知った方がいいのでは?と言われることもありますが、僕の場合はこれくらいで不完全でも仮説を立てていきます。

もちろん、データを多く集めて、もっと深くまで見て、より合理的に緻密な計画や仮説を立てられるのもよいのですが、そこに時間を使ってしまうよりは早々にある程度の情報から仮説立てをして行動に移していく方が適切だと判断しました。

なぜなら、一般的な開封率やクリックを大きく超えてくるようなことが多々見られる業界なので、定説や他と比べて緻密にこれくらいと予想を立てても、その通りにいく可能性は低いと感じたからです。

それであれば、大まかに傾向があるな程度の情報から、実際にやってみることに重きを置いた改善の方が効果があると思いました。

なので、ここで早々に以下のように解釈し、仮説を立てました。

・業界平均と比べると、開封率は約10%ほど低い
⇒件名が影響して読まれていない状況がある

・開封したユーザーを見ると購入率は他の流入経路に比べて高い
開封された場合は掲載商品の力が大きく購入されやすい

・昨年比ではメルマガ配信の有無で合計の売上金額に差異が見られる
⇒他の経路の売り上げを取っているわけではない

・ファンの主要層(30~45歳男性)とメルマガの主な利用層(20代男性)で違い
メルマガの訴求内容がズレている(購入しているのは30~45歳男性がメイン)

ここから導き出される仮説としては、

「メルマガの内容は掲載商品の力が働いており、訴求できているものの開封促進が弱い。なので、開封を促せば売上の上積みが可能」

「購入に余裕のあるもしくは家族絡みでの購入理由を持つ30~45歳の層と比べると、20代に対しての購入の動機付けや購入意欲の促進が不足している」

他の経路から売上を取っているわけではないことというのが分かった点は大きな収穫でした。

また、ファンの中で最も多い層は30~45歳の男性でメルマガ利用者も多かったのですが、20代男性のメルマガ利用者も多くいたことが分かりました。
その特徴を見てみると、開封されているが購入率は非常に低い。

多く利用されているにも関わらず、購買促進のメルマガで読まれているだけの状態になっていました。

あとは、この仮説を基に施策を打ち出すのみです。

実際に施策を投じた結果

ここまできたら、概ね取り掛かることはどなたも一緒かとは思いますが、

・開封がそもそも低めになっているので、「件名」と一緒に表示されるメールの文頭のテキストを改善

・生活パターンと心理状況を踏まえ、配信時間を設定

・メルマガのデザインや内容、見せ方をファンの年齢や訴求に合わせて複数パターン用意

上記の3つをメルマガ配信の施策に組み込みました。

その結果はすぐに表れました。

今までの売上から1.7倍を記録することが出来ました。

まとめ

一律で同じ内容をファンに向けて送っていることは業界的にはまだまだ多く見られます。なので、こういったパターン分けや訴求内容を分けるだけでも効果は表れます。

「現状」と「利用者」をしっかり見て、アクションしていくことに重きを置く。もちろん、それがすべてではないですが、深く考えて時間をじっくり掛ける施策ではなくとも、少ない時間で考え動いていく方がよい場合が多々あるのです。