今すぐに化粧品メーカーがメンズ市場に参入すべき理由

近年、男性のコスメやメイクに人気が出ているのはご存じですか?ビジネス/マーケティングの観点から見てもその様子を窺い知ることができます。

ジェンダーレスや化粧をする男性のメディア露出が増え、「男性も化粧をしていい」というイメージが根付き、若者を中心に需要が高まっています。

Googleトレンドより

Googleトレンドで「メンズコスメ」「メンズメイク」というワードで推移を見ると、2014年頃から右肩上がりになっているのが分かります。

今年の6月には、株式会社IPLoTがメンズ美容SNS『REMENS』のサービスを開始しました。男性美容をより身近にするを目的としたメンズ美容に特化したSNSです。

サービスの特徴として、自分の知っているメンズコスメのクチコミを共有でき、運営も記事や動画を公開して情報の提供を行っています。お互いの情報を共有でき、有名になればコミュニティー内で美容のインフルエンサーにもなれます。

参考 メンズコスメを身近に。男性向け美容SNS『REMENS(リメンズ)』のウェブ版公開、およびアプリの事前登録を開始。PR TIMES

市場規模の高まりと推移

その市場規模も着実に大きくなっています。 2018年の調査によると、今年度は前年の1.4%増と予想されており、2020年以降も増加すると見込まれています。

資生堂が2018年に行った意識調査(※男性美容意識実態調査)によると、男性7,500名のうち約半数が化粧水やリップクリームなどの保湿製品を使用し、使用している人の約6割近くが週に5日以上使用していると答えています。

更に、男性の約9割がスキンケアは身だしなみの1つとして捉えていて、「メンズメイクをしてみたい」男性は半数以上で「機会があればしてみたい」と答えた人を含めると約9割弱という結果になりました。

参考 「男性のスキンケアと肌や眉を整える等の行為に関する意識調査」 メンズメイク、未経験者の約9割が「してみたい」(20~50代男性) 女性の約9割が「メンズメイクに抵抗なし」FNN PRIME

株式会社オロが日本のインターネットユーザーを対象に行った調査では、「男性化粧品に対する消費者の関心はどれほど高まっているのか?」という質問では、以下の結果が出ています。

2018年時と比較すると全体的に検索数が増えています。この1年でも男性化粧品に対する関心は高まっていると言えるでしょう。

※対象検索キーワードは「メンズ」「男性」それぞれに続く8種類のキーワードを調査。

メンズコスメ市場に関心が高まっている要因には、男性観・女性観の変化が影響していると考えられます。具体的な変化を、PEST分析で掘り下げていきます。

PEST分析

取り巻く環境として、上記の要因が考えられます。特に注目すべきは女性の社会進出ジェンダーレス男子の流行だと思います。

男女雇用機会均等法の施行や改正により、女性が社会に出て働きに出る割合が増え、 今では「家庭を支えるのは男性だけではない」という考え方が当たり前の時代になってきました。

上記に加えて終身雇用が崩壊を迎え、転職しやすい環境になり働き方の多様化が進んだことにより、90年代後半には結婚している家庭の共働きの割合が専業主婦の世帯を上回っています。

従来の男性らしさ、女性らしさにとらわれない生き方や働き方が増え、縛られない考えが徐々に広まったことがきっかけと言えるでしょう。

また、ジェンダーレス男子のメディア露出の増加も大きな要因だと思います。メイクをしたり、おしゃれに力を入れる男性が増え、受け入れられるようになったと考えれられます。

ジェンダーレス男子の中心人物でもある、「こんどうようぢ」さんと先程の「メンズメイク」「メンズコスメ」をGoogleトレンドで比較しました。こんどうようぢさんは2013年頃から活動をはじめ、年の終わりごろにはジェンダーレス男子の代表としてメディアに取り上げられるようになりました。

2013年頃から「こんどうようぢ」さんの件数が上昇しています。それと同時に「メンズコスメ」や「メンズメイク」も推移が高まっています。つまりジェンダーレス男子は人気のインフルエンサーによって広がりを見せたと言えるでしょう。

こうした背景があり、メンズコスメは世の男性に浸透されやすい環境にあったとことが分かりました。

また競合の数男性の購買心理 の観点から見ても、今の環境が良いと言えるでしょう。

今の環境が良い理由

競合が少ない

女性向けコスメのブランド数が約100種類あるのに対し、男性向けコスメのブランドの数は約10種類といったところです。プラスして、外見を気にする男性が増えている今が狙い時と言えるでしょう。

購入者のリピート率が高い

また購入者は一度気に入るとリピート率が高くなる傾向にあります。メンズコスメブランドを展開するBULK HOMMEでは約2万人以上が継続で商品を購入しており、リピート買いは平均で6回以上を上回ります。

参考 メンズコスメで男性も「顔」に投資、SNSや仕事にプラスBloomberg

伊勢丹メンズ館では、女性同様テスターや肌診断のサービスを行っておりその人の肌に合うブランドを提案してくれます。自分に合ったコスメを使用することでその効果も実感し、リピート率も高いそうです。

これは女性と男性の心理の違いからなるものと考えられます。女性にとって買い物は「何かを買いたい」というより「買い物がしたい」という欲求になります。

一方、男性は過去の経験やブランド名などを思い出して意思決定する傾向が見られます。男性が買い物をするときは「こんな機能が欲しい」と予め考えていることが多いです。また、いくつかの商品を比較してから購入します。これらの傾向から、男性は1つのものに拘りやすく、1度気に入ればリピート率が高くなると考えられます。

ここまでの流れをまとめると、以下の4つの点から参入すべきと言えるでしょう。

  • 競合が少ない
  • 男性のリピート率が高い
  • 市場が伸びている
  • 男性の関心が高まっている

では今後どのような展開をすれば、より市場がより盛り上がるでしょうか。

今後の展開

メンズコスメの今後の展開を考えてみました。市場拡大に伴い、メンズコスメ未開拓のブランドが、専用の商品を発売する光景が見られ中でも、スキンケアアイテムや唇の乾燥を防ぐ保湿用途の製品は既に浸透しているようにも伺えます。

ですが、BBクリームや眉を整えるといったメイクはまだ浸透というにはほど遠いといった印象を受けます。意識調査では、メイクに興味を持っている男性は9割を超えています。

興味を持つ人がなぜやらないかという問いには「やり方が分からない」「購入場所が分からない」といったそもそものメイクについての基礎知識が乏しいことが、消費に繋がらない要因と見受けられます。

これらを解消するための施策を考えました。

公式サイトで肌診断

女性向けコスメブランドでは、肌診断など多く見受けられますが、メンズコスメブランドではあまり見受けられません。質問に答えると、自分に合った商品をオススメしてくれるものです。

女性向けコスメの肌診断
https://www.clarins.jp/

TwitterやInstagramのストーリーに広告を出し、気軽にタップしてもらえる環境を作ります。その広告内でメイクをする前と後に比較画像があると、興味を引くのではないでしょうか。

広告ではないですが、Twitterに投稿されたメンズメイクのビフォーアフターの写真は、多くのユーザーから反応を得て話題になりました。こうした比較画像で男性自身により自分事化してもらうことにより、メイクへの興味を沸かせます。

紳士服ブランドとコラボ

メンズコスメが普及したきっかけに、職場の女性率が高くなったことやビジネスシーンでの好印象を目的とした声がありました。

紳士服でしたら、男性も気軽に入店することができます。店内にコスメカウンターを設置し、ビューティーアドバイザーを配属。スーツを着用した時の顔と合わせることができ、より実感できると思います。

ビジネスシーンでの印象の重要性を訴求し、紳士服=メンズコスメのイメージ付けでより市場が盛り上がるのではないでしょうか。

まとめ

メンズコスメの需要がここまであることに驚きました。特にスキンケアを行っている男性が当たり前のようにいることに時代を感じます。

ユーザーの動向を見るには、時代の流れや流行についていかなくてはならないと改めて実感しました。