スポーツビジネスに関わりたいなら、まず知ってほしい大変さやマーケティングの話

スポーツビジネスやそのマーケティングについての話を仕事柄よく耳にします。その中でも特に良く聞くのが、「スポーツビジネスに関わってみたい」とか「スポーツビジネスは楽しそう」といった声です。

だいたい、理由を聞くと「面白そう」「観戦行ったときに楽しかったから自分もそういう事やりたい」というのが返ってきます。個人的にはとても嬉しいですし、そうやって志してくれた方とお話するのはとても楽しいです。

スポーツ産業庁は2015年5.5兆円であったスポーツの市場規模を2025年には15.2兆円にして、成長産業化する方針を立てるくらい力を入れていることや、東京五輪2020が控えていることもスポーツビジネスへの関心が高まった要因なのだと思います。

加えて、最近では他業界から優秀なマーケターさんや発信力を持っている経営者さんが世に面白さを伝えてくれているので、その影響も大きいと思います。

ただ、一方で少し心配になっている面もあります。先ほどのマーケターさんや経営者さんは面白さを伝えてくれているだけでなく、「大変さ」も合わせて発信しているはずなのですが、あまりそこの部分は認知されていないのかなと。

周りに話を聞いてみても、「大変そう」というのはあまり聞こえて来ず、むしろ華々しさを推す声が多いです。

なので、今回は事業側(チーム側)ではありませんが、チームをご支援させて頂いている中で見えてくるマーケティングなどの大変さを中心にお話させていただきます。

意思決定のためのデータが少ない

マーケティングを行うにあたって、どの業界でもデータというのは必要になってきます。これは、マーケティングの精度やスピードを上げるために不可欠になるのですが、デジタル領域の技術が発達しているIT業界などと比べると、データが圧倒的に少ないです。

データではなく、経験則に基づいた判断をしているところは、まだまだ多いのではないでしょうか。

昨今ではデータマーケティング・データドリブンといったワードが業界にも浸透しているので、比較的集まりやすい状態にはなっていますが、まだまだ少ない状況なのではないでしょうか。

なので、企画や施策を実行する際には必要なデータが足りず、意思決定が遅れるといった場面もあります。参考になる業界の平均データのようなものも少ない、もしくは無いこともありますので、その中でファンの方に喜んでもらえる企画や施策を考えることは非常に大変であると言えます。

また、今後そういったデータを取ろうにも土壌がない場合も多いので、0から構築することも多いと思います。

「スポーツ」の捉えられ方の変化

野球で言えば横浜DeNAベイスターズ、サッカーで言えばセレッソ大阪、バスケで言えば千葉ジェッツふなばしが大きく影響/貢献をしていると思いますが、「スポーツ」「エンターテイメント」として捉えられることが多くなってきています。

この流れが大きくきているのはBリーグだと思いますが、今後盛んになってくるのは野球ではないでしょうか。近年ではボールパーク化という考え方が普及しており、様々な球団で実施、予定がされています。

https://www.seibulions.jp/news/detail/00001506.html (引用元:埼玉西武ライオンズ)

https://biz-journal.jp/2016/09/post_16555_3.html (引用元:Business Journal)

スタジアムを「観戦に行く場所」として用意するのではなく、エンターテイメント性を高めた場所、アミューズメント施設に近く、「行けば様々な楽しみがある場所」として提供しています。

※楽しみがある場所としての取り組みは横浜DeNAベイスターズのイベントや事例、アメリカの事例を見れば分かるかと思います。

このエンターテイメント性を念頭に置く考えとは違い、スポーツを商業的、従来的な位置付けで考えているところもある中で、利益やファンの方のことを考えて、今までのビジネスモデルを大きく変化させることに対応するのは人財的な観点や資金面、思想などを考慮すると非常に骨が折れることだと思います。まさに今は業界的にも激動の時期であると言えます。

とにかく忙しい

これは伝えておかねばと思い、書きますが、大変さの筆頭に上がるのが「とにかく忙しい」です。なんだか、元も子もない話のようですが、これは外せません。

野球やサッカーなどのメジャースポーツと呼ばれるものを思い浮かべていただきたいのですが、ほぼ年間通して試合などを行っています。その期間はチームに帯同しつつ、いろいろな対応をすることもあるでしょう。

やっていない時期もありますが、その間も次に向けてすぐに動き出すなど、多少の繁閑はあるものの、常に動いています。

ここまで大変さを述べてきましたが、それでも私はスポーツビジネスを志望する人に伝えたいです。

「スポーツビジネスは楽しいです!」と。

これらの大変さを吹き飛ばすほどの楽しさ、やりがいがある

十分なデータが取れずに悩みますが、それでもファンの方に喜んでもらえるような企画のお手伝いなどをさせてもらえたときの喜びは代え難いものがあります。

チームが勝ってくれた時にはとても嬉しく、もっと打ち出し方がカッコよくなる方法を考えているときはやりがいがあります。

また、周囲を見渡してみると、大変でも課題をクリアしようと取り組んでいる姿がとても楽しそうである方が業界には多くいらっしゃいます。こういった姿勢も周囲に波及しているのかもしれません。

支援をさせて頂いている中でも、こういった思いは強く生まれますし、チーム側ではそれ以上の気持ちが生まれると思います。何より、ファンの方々がSNSでもスタジアムでも喜んでくれていることが分かるときは「もっと良いものを」という気持ちになります。

月並みかもしれませんが、大変さに勝る楽しさ、やりがいが必ずあるから見ている人を楽しく・感動させ、心を動かすことにつながっているのはないでしょうか。