マーケティングに大事なことをポケモンから教わった

2019年11月15日、遂に発売された「ポケットモンスター ソードシールド」。子供のみならず、大人も魅了するとてつもなく強いタイトルです。Twitterやまとめサイトでも発売前から、いろいろな情報が公式・非公式ともに飛び交い、多くのファンが待ち望んでいることが分かります。

発売される度に、関連タイトルに動きがある度に、盛り上がりを見せるポケモンですが、なぜこうも話題になるのでしょうか。

その理由を、今回のマーケティング施策や過去の動きを見ながらみていこうと思います。ポケモンは水道工事のおじさん以上の認知度?

ポケモンは水道工事のおじさん以上?

キャラクター総数は1000匹近くになるポケモンですが、そもそもどれだけすごいのかというのを最初にまとめておきます。

売上本数の観点から言えば、ポケモンタイトルの中では約3000万本が最高となっています。

これは、誰でも聞いたことのある「マリオ」の関連タイトルの「Newスーパーマリオブラザーズ」が約3000万本だったり、「マリオカートDS」約2500万本だったりするので、非常に大きい数字だと言えるのではないでしょうか。

また、スマホゲームとして登場した「ポケモンGO」は認知度が9割となるなど、非常に多くの人に知られています。

参考 9割以上の認知度を誇る「ポケモンGO」、34%が歩きスマホを経験GAME Watch

最近では「ゲーム市場は縮小している」と聞くことがしばしばありますが、そんな中でもファンを増やしているポケモンは

・ファンを飽きさせない見せ方、楽しませ方
・戻ってくるユーザーのおもてなし

という2点が非常に秀逸で、コンテンツの活かし方の教科書とも言えるような施策だと思います。

コンテンツを複数メディアで展開

今回に限らずですが、ポケモンがここまで有名且つ人気になったのは「メディアミックス」と呼ばれる戦略があったからというのを忘れてはいけません。

読んで字の通り、複数のメディアにコンテンツを展開する手法を指します。ポケモンの例で言えば、ゲーム起点であった作品ですが、人気を博してからは多くのアニメや映画、グッズとなっています。

ポケモンだからできたのかもしれませんが、種類がとても多いこともあり、主要のキャラクター以外にもファンになるきっかけを作るキャラクター(コンテンツ)は多数いるため、多種多様なファンの受け皿になることができます。

多くのメディアに様々な形で露出することで、ファンに対していろいろな切り口でコンテンツを見せることが可能となり、「もっと面白く」「もっと楽しく」という期待に応えていると言えます。

それによって、ゲームとは別のメディアからポケモンが好きになったファンも元々のゲームに興味を示すようになり、着実にファンが増えていったのではないでしょうか(もちろん、ゲームファンが他のコンテンツにも流れるということもあるので、両方プラスに働きます。)

あの頃を思い出させるプロモーション

今回の「ポケットモンスター ソードシールド」では、数多くのメディアで取り上げられており、段階的に情報を公開することで話題の発生を上手くコントロールするようなシーンが多く見られました。

ただ、それ以上に光った施策として注目したいのがこちらです。

参考 ポケモンとの思い出ムービーをつくろう!Pokémon GREAT STORY

1996年に初作品となる赤緑青が発売されてから20年以上が経ちますが、その中で年齢が上がるにつれて、作品をプレイしなくなってしまったファンの方は多くいらっしゃると思います。

離れていったファンの中には、一緒にやる人がいなくなったり、家庭を持つなど環境が大きく変わりゲーム自体をプレイしなくなった人も多いでしょう。20年という月日はそれだけ長い時間です。

ただ、この施策はその月日を活かしてくれるプロモーションだと言えます。

簡単に言えば、質問に答えると過去作品の中から映像などを組み合わせて、自分だけのPVを作ってくれるというものです。組み合わせも20万通りあると言われているので、それぞれにあった懐かしまずには居られない映像が見つけられる仕組みになっています。

この施策によって、離れていたファンには過去作品を懐かしむ⇒そのときの思い出に浸ってもらうといった流れで、自然に「ポケモン」との接点を持ち、体験を思い出してもらえます。

加えて、その体験を自分の子どもや自分の同級生に話して体験を広めていくことも可能です。もちろん、SNS上でシェアもできるので周りの友人とその映像について話してもらうことでUGCの発生も促進しています。

つまり、過去に接点があった層(戻ってきたファン)に対して、当時の体験を基にした接点を持つことで、当時の体験の呼び起こし、感情への働きかけができる仕組みだったのではないでしょうか。

長年培ってきたコンテンツの力が強いこともあり、その他の施策でも十分に話題化は図れていますが、こういった一つ一つの施策などを見る限りでもファンを惹きつけることはできているのだと思います。

まとめると

・コンテンツを複数のメディアで展開し、様々なファンの期待に応える
・ファンとの関係を踏まえ、体験に呼びかける接点を構築する

こうした取り組みがあったからこそ、今回の話題含め多くのファンを魅了するコンテンツが作れたのだと思います。

仮にコンテンツがこれほど豊富でなくとも、過去のコンテンツを掘り返し、その当時の状況や環境を踏まえてファン・ユーザーとの接点を設計し直してみると、良いプロモーションの種が隠れているかもしれません。