サポーターと公式で創り上げる?マリノスのTwitterはファンマーケティングの教科書

今年のJ1の優勝争いがとにかく白熱しています。

残り2節ですが(※2019/11/26 現在) 、まだどこが優勝するかわかない状況です。上位3チームで争っており、各チームの次節結果での優勝条件を表にまとめました。

(※2019/11/26 現在)

1位の横浜F・マリノス(以下、マリノス)は次節で優勝の可能性がありますが、結果次第ではまだ他のチームも優勝の可能性を秘めています。どのチームのサポーターも見逃せない展開を迎えています。

盛り上がっているのは世間だけではありません。SNSも盛り上げを支えている一因と言えるでしょう。今、ファンとの交流の場にSNSを活用するのは当たり前になってきました。

中でも最終戦に向けての取り組みが一番熱いのが、マリノスのTwitterです。

マリノスのTwitterは運用がとても上手で、ファンとのコミュニケーションの場として活用しているように伺えます。また、公式だけでなくファン同士の繋がりも非常に密に行われています。

こうした背景に公式Twitterが、ファンとのコミュニケーションの取り方を熟知しており、その運用スタイルがファンにとてもマッチしていることがあると考えられます。

では、ファンとのコミュニケーションの取り組みをいくつかご紹介していきます。

横浜F・マリノス沸騰プロジェクト

2018年から行っており、プロジェクトメンバーの沸騰を周りの人たちにも伝えていくものです。横浜F・マリノス沸騰プロジェクトの公式サイトにアクセスし登録を行い、マリノスのアピールポイントを発信していくという企画です。

登録後、SNSでマリノスに関する投稿を行うとステータスがアップし特別なイベントへの参加もできます。2018年の6月から沸騰プロジェクト専用の公式Twitterも開設され、ユーザーの投稿に反応していき徐々に普及していきました。

実際に投稿されたユーザーのツイート
参考 横浜F・マリノス沸騰プロジェクト沸騰プロジェクト

また盛り上げを加速させるため、投稿だけでなく、プロジェクトに参加で応募できる「沸騰プロジェクトミーティング」も行っています。抽選で最大20名選ばれ、これからの沸騰プロジェクトについてファンとスタッフが話し合いをする場となっています。

こうしたファンとの交流でプロジェクトだけでなく、チームを盛り上げています。ですが公式だけでなく、ファン同士のコミュニティも負けてはいません。

「#シティズンおいでよ清水戦」の誕生

7/27(土)に行われたEUROJAPAN CUP 2019マンチェスターシティ戦がきっかけでこのハッシュタグがユーザーから生まれました。

この日は、マリノスに長年在籍していた飯倉選手が移籍を発表し、その退団セレモニーの日でもありました。ですが、飯倉選手のコメント中にマンチェスターシティのファン(以後、シティズン)がチャントを歌い、問題となりました。

後日、チャントを歌っていた一部のシティズンから、謝罪のツイートが多く見られたそうです。そんな中あるマリノスサポーターが「#シティズンおいでよ清水戦」とつけてマリノスのおすすめポイントをツイートするという投稿を行いました。

この投稿をきっかけに他のマリノスサポーターからもマリノスのチャントの動画やスタジアムのおすすめグルメなどを紹介する投稿が多くみられました。

その後、公式Twitterもハッシュタグに便乗したツイートを行い、シティズンがマリノスの試合に観戦しやすい環境を作り、その後マンチェスターシティも公式Twitterで投稿を行いました。

横浜F・マリノス (@prompt_fmarinos)
Manchester City (@ManCityJP )

ファンの中でも、マリノスの良い所を伝えたいという思いを持った人が大勢いて、それに公式も応えられる。マリノスの強みはこのファン目線のマーケティングにあるのではないでしょうか。

では、そのファン目線だと思われるポイントを洗い出していきます。

ファンの期待にリアルタイムで応える

まず挙げられるのがTwitterの特徴でもある、リアルタイム性とファンの期待に応える姿勢が、マリノスのTwitterではうまく融合している点です。中でもファンの期待に大きく応えた出来事が最近見られました。

マリノスが優勝に向けてあるグッズをTwitterで告知したところ、一部のサポーターから「黒は縁起が悪い」と声が挙がりました。その事実を知った大津選手がマリノスに直接、問い合わせをしました。

そして、その2日後にファンの要望に応えた商品の販売が決まりました。 さらにメディアでも取り上げられ、話題になりました。

参考 サポーターの声で大津祐樹が動いた! 新グッズのデザイン追加を“アシスト” SOCCERKING

これはまさに「 リアルタイム性とファンの期待に応える姿勢が、マリノスのTwitterではうまく融合している 」と言えるでしょう。

また、広告にも似たような例が見られます。 11月中旬ごろには横浜市営地下鉄・横浜駅構内のビッグボードに順位表の広告を張り出しTwitterで投稿されました。

残りの試合結果で順位や勝ち点がリアルタイムで変わります。また、その変わる様子もTwitterで逐一投稿しており、まとめサイトでも取り上げられました。これらの施策はファンにとって嬉しいものと言えます。

参考 マリノスのリアルタイム広告が斬新で話題沸騰togetter

ファンの発信を促す施策が充実している

またマリノスはとにかく、UGCを発生させるのが上手いです。先ほど紹介した、「横浜F・マリノス沸騰プロジェクト」や「#シティズンおいでよ清水戦」などユーザーがつぶやきたくなるような施策を沢山行っています。

11/20(水)には「#すべてはマリノスのために」をつけて投稿しようという企画ツイートが行われました。以前からこのハッシュタグを使用した投稿は行われていましたが、ここ1カ月の投稿量を調査すると以下のような結果になりました。

1番投稿量が多いのが20日となっています。さらには選手もツイートを行う姿勢が見られたことも多くのツイートがされた要因と考えられるでしょう。

大津選手のTwitter(@yukiotsu23)

この結果、20:00ちょうどに「#すべてはマリノスのために」がトレンド1位になり話題となりました。

また、「応援メッセージ」とあって最終戦に向けてファンの方もつぶやきやすいことが挙げられます。さらに、ユーザーからのリプライにいいねを行い、エンゲージを上げているのも要因の1つと言えるでしょう。こうしてマリノスをフォローするユーザーの熱を高めていると考えられます。

ユーザーに投稿されるハッシュタグの創出

よくスポーツチームのTwitterではハッシュタグにチーム名などをつけて投稿を行っている所が多く見られますが、マリノスのTwitterではチーム名に加えてユーザーが投稿したくなるようなハッシュタグを生み出しています。

UGCの欄でもご紹介した「#すべてはマリノスのために」もその1つです。こちらは最終戦を盛り上げるために選手によって考案されました。

特に最終戦目前の今はそれに関連したハッシュタグが生み出されています。ここ1カ月で発信された最終戦へのハッシュタグをまとめました。

(※計測期間:10/27~11/27)

続いてそのまた1カ月前も計測を行いました。

(※計測期間9/27~10/27)

どのハッシュタグも発信件数は伸びています。これも優勝争いの影響と言えるでしょう。選手個人のTwitterでも積極的に使われたこと多いにあるとは思いますが、ユーザーが投稿したくなる状況を抑えていることも考えられます。

ユーザーが投稿したくなる状況
  • 思い出を残したい
  • 素敵なものをフォロワーと共有したい

これらの状況を表現するのに上記のハッシュタグはどれも有効と考えられます。

こちらは11/23(土)に行われた松本山雅戦を受けて投稿です。先述にある、大津選手がマリノスに問い合わせをして商品化されたタオルマフラーですが、あるサポーターがTwitterでアンケートを行ったところ購入できなかった人は約半数だったそうです。

そこでサポーターが企画を行い、トリコロールカラーのものを紙で印刷し配布しました。その全体の光景が上記のツイートです。

企画を行ったサポーターのツイート

こうした思いからユーザーは投稿を行いたくなったのではないでしょうか。上記の光景をみて選手もツイートを行っており、ファンの思いに選手がプレーで応えようと感じる出来事になっているのではないでしょうか。

まとめ

上記のポイントをまとめると

・リアルタイムに行う対応
・ファンの発信を促す施策が上手い
・ハッシュタグの使い方

これらが非常に上手で、ファンの心を掴んでいると言えるでしょう。ファンの気持ちを第一に考える姿勢がファンにとっても嬉しいですし、ファンもマリノスのために何かしようと思う。このサイクルがマリノスのTwitter運用のキーポイントと言えるのではないでしょうか。

マリノスのことについて調べるにつれて、どんどん知りたくなりました。これもマリノスの戦略なのでしょうか。

優勝に向けてこのまま、頑張っていただきたいです。

横浜沸騰。