劇場版「名探偵コナン」から“国民的”を読み解いた。

2月7日。金曜ロードショーで名探偵コナンが放送されます。毎年この時期になると、4月の新作映画公開を記念して前作が放送されていますが、今回は国民投票で1位をとった作品が放送されるとあり、Twitterでも朝からトレンドに入っています。

名探偵コナンは1994年に「週刊少年サンデー」で連載が開始され、1996年からはテレビアニメでも親しまれています。翌年の1997年からは毎年劇場版アニメも制作されておりその度に話題となっています。

興行収入も10億円で大ヒットと言われる映画業界で、全ての作品が突破しており、2012年からは毎年歴代の興行収入を更新しています。

参考 全24作順番!名探偵コナン劇場版シリーズ映画興行収入ランキングや評価一覧映画評価ピクシーン

劇場版「名探偵コナン」と言えば、子供から大人まで楽しめるファミリー映画のイメージがあるかと思いますが、近年では、「コナン女子」と呼ばれる女性からの支持も集めています。さらにはカップルから夫婦まで幅広い層のファンに愛されており、まさに国民的アニメと言えるでしょう。

参考 女性ファンが7割強、『名探偵コナン』女性がハマる3つの理由アニメ&ームby ORICON NEWS

連載されているのは「週刊少年サンデー」と少年向けのコミック誌です。では、どのようにして国民的地位を築いたのでしょうか。ポイントとなるのは親子と女性です。

親子で鑑賞

少年向け雑誌で連載されていることから、本来のターゲットは子供ですが、一緒に鑑賞している「」を上手に巻き込んでいると考えられます。

テレビアニメは家であれば無料で鑑賞できますが、映画はわざわざお金を払って鑑賞します。子供の場合、このお金を出すのはです。

放送当時子供だった人が、現在自分の子供を持っていてもおかしくない年齢となっています。一方、親は子供の好きなものを何でも買い与えるわけではありません。自分が良いとするものだったり、教育に良いとするものにお金を払いたいと思います。

その親を響かせる要因に懐かしさがあると考えられます。劇場版「名探偵コナン」にはいつ見ても変わらないオープニングにBGMのメロディー。コナンが使うアイテムなど昔から登場しているものを見て、懐かしさに惹かれているのでないでしょうか。

この現象をノスタルジー効果といい、懐かしい商品やサービスを登場させることで、ユーザーの記憶を呼び起こし興味を引くことを指します。 人は感情移入した時に財布の紐を緩めやすく、購買に繋がりやすいことからこの効果を利用したマーケティングもあります。

参考 購入意欲を高めるノスタルジーマーケティングXLabonline

自分が親であるユーザーが、子供の時に見ていた光景を懐かしみ、良いと判断していると考えられます。

女性人気

2016年の「純黒の悪夢」から女性人気が高まったとされています。この作品に登場する「赤井秀一」と「安室透」というキャラクターがもともと女性に人気でした。二人には 因縁があり、過去に触れるシーンがあったことがヒットの要因になったと考えられます。

これで一気に女性ファンが増え、多くのリピーターを生み出しました。女性向けアニメ映画では頻繁に行われる「応援上映」と呼ばれる上映スタイルも名探偵コナンの映画で初めて開催されました。

参考 劇場版『名探偵コナン 純黒の悪夢 』応援上映会! 「ラ―――ン!」KAI-YOU

2018年に公開された「ゼロの執行人」で「安室透」が人気となりさらなるヒットとなりました。「安室透」は今まで「赤井秀一」のライバルとして登場していましたが、メインキャラクターとして登場した本作で魅力を発見したユーザーが多くいたと考えられます。

映画に先行して展開されていた「安室透とLINEでトークができる」という書店フェアでは、アカウントの登録者が10万人を突破しました。他にも、キャラクターの名字の判子に注文が殺到するなど映画以外にも社会に影響を及ぼす事態となりました。

「安室透」の女性に受ける要素として、「今までのコナンにいないキャラ」や「コナンの味方なのか敵なのか分からないミステリアスさ」などが挙げられました。従来のものは変えずにキャラクターに変化を持たせたことで、 新規の層が増えていったと考えられます。

まとめ

名探偵コナンが国民に浸透している理由を考えると、本編の面白さはもちろん、どこかに新しさを取り入れて進化しているように感じられました。こうした変わらないものと新しいものがあることで懐かしさと同時に新しさを楽しめるのが“国民的”の秘密なのではないでしょうか。

筆者は高校生の時、アニメを全話見返した経験があるのですが、子供向けと思っていた期待をいい意味で裏切られた思い出があります。

子供向けだと思っている方にこそ、本気でミステリーを推理して見ていただきたいです。