サブスクリプションが「損している」と感じない理由

マーケティングやビジネスでよく聞くようになったサブスクリプション。今ではいろいろな企業がサービスを始めていますが、ちょうど11月の頭くらいに一緒にMTGをしていた同僚から

「サブスクリプションと言えば、Amazonプライムに入っているけど、あんまり使ってないしディズニー好きって言ってもそんな見てない。だけど、損してる気がしない。なにゆえ?」

という問いを投げかけられました。そのときにはパッと答えが出なかったのですが、考えてみると確かになぁと思います。携帯を買ったときに安いプランにするために加入させられるけど使わない月額サービスくらいしか、損したって気分にならないなぁと僕も思います。

今ではクラフトビールや日本酒、車までもがサブスクリプションサービスとして登場しています。そんな中、やはり皆さんも気になっているようで、「サブスクリプション 得 損」などで検索すると、以下のような記事に出会えます(2019/11/12現在では検索順位が上から2番目)

参考 トヨタ、月額4万円台~“車乗り放題”は得or損?週1利用ならタイムズのほうが割安?https://biz-journal.jp/

この例で言えば、確かに車を買うよりも月額4万台で乗り放題になる方が、単純に初回で支払う金額としては後者の方が低く済み、ハードルも低いと思います(月額4万が誰にとっても安いと言える金額というわけではありませんが)

ただ、使用しなければ月々使用しない金額を無駄にしてしまうことにつながりますが、あまり損をしたという話を聞いたことはありません(得か損かのような記事はあります。)

これには料金設定納得感の二つが作用しているのではないかと考えています。

ユーザーの生活の一部に溶け込める料金設定

料金設定については、以下のような調査結果が出ています(記事から一部抜粋)

「継続的に支払うのにお手頃な金額」「お金を気にせず何度でも利用」「通常よりも安く済む」といった“お得感”に関する理由が上位に挙がった。

参考 サブスクリプション型(定額)サービス、35%が利用経験あり。動画配信、音楽配信が上位に【マクロミル調べ】webtan.impress.co.jp

動画配信や電子書籍を中心として、普及したサブスクリプションサービスですが、基本的に認知度が高いサービスは料金が¥3,000未満で設定されていることが多いと思います。

同調査結果でも、月額のサブスクリプションの利用額が以下のように記載されています。

サブスクリプション型サービスの利用者(282名)が支払う1カ月あたりの合計金額を聞いたところ「1,000円以上~3,000円未満」が最も多く、47%であった。次に多かった「1,000円未満」の36%を足すと、利用者全体の8割以上が3,000円未満となる。平均金額は2,328円。

また、衝動買いのデータを見てみると、「月1回以上衝動買いする」と回答した人を対象に許容範囲の金額を聞いてみると、以下のようなことが見えたそうです(以下の記事より一部抜粋)

ほとんどの人が、衝動買いの上限を5千円~1万円に設定しているようだ。これくらいの金額であれば、予定していなかった買い物をしても家計を圧迫する心配もないと判断してのことだろう。

参考 1万円以内ならセーフ⁉ 意外とみんなやっている“衝動買い”の実態とはhttps://news.livedoor.com/

これらのことから、自分の日々の生活に支障が出ない範囲で娯楽の選択肢の一つとして利用しているような意図が見受けられます。

娯楽をいつでも利用でき、且つ生活に大きな打撃を与えないものとして意識されているからこそ、多少利用をしていなくても損をしているという感情にはなりにくいのだと思います。

「考える」による納得感

サブスクリプションサービスで損をしたと思わない2つ目の理由としては、衝動買いとは違い、考えるという工程が加入に至るまでに一つ入るため、納得感が違うからだと思います。

電子書籍の利用する理由の上位に「通常利用よりも安く済む」というものが挙がっています。これはもう一つの納得感につながるデータだと感じます。

たいていのサブスクリプションサービスでは

・豊富なコンテンツ
・良心的な価格設定

この二つを特徴として挙げていることが多いです。比較的低額なサービスでは起こりづらいかもしれませんが、こういった訴求が無かったとしても、サブスクリプションサービスを良いと感じた際にはユーザー自身が加入の前に、ある程度試算をすると思います。

電子書籍で言えば、調査結果でも出ているように、読みそうな本の一冊の単価や自分が利用できる時間、頻度など自分のライフスタイルや利用状況に合うかを確かめるユーザーも多いでしょう。

ここで、衝動買いのデータについてもう少し詳しく見てみると、先ほどの記事の中にあった衝動買いのデータでは、家計を圧迫しないと思ってはいる。

一方で、衝動買いをするときはストレスの発散目的が多いということも書いてあり、以下のようなデータ、見解も出ています。

衝動買いについて、「あまり後悔しない」と答えた人が37%もいた。そして、「時々後悔する」(55%)が「いつも後悔する」(3%)を大幅に上回っていた。

同調査では後悔の詳しい理由について明かされていないが、おそらく先ほどの質問で「ストレス発散がしたいとき」と回答した人は、後悔する確率が高いのではないだろうか。ストレス発散のためにたいして欲しくないものを買っていたら、後に残るのは不要なモノと新たなストレス。このタイプの人は、別のストレス解消法を見つけた方が良さそうだ。

これらのことから衝動買いをした場合には「後悔」を感じる人が多くいることが分かります。

衝動買いは

よく考えもせず、その場の欲しいという気持ちだけで買ってしまうこと。

と定義されており、前述したサブスクリプションに加入する前の人の状況と真逆であることが分かります。特に「考える」という点が抜けていることが違いとして大きいと言えるでしょう。

料金とユーザーの納得感の二点が作用したことで、サブスクリプションサービスは年々じわじわとスケールしてきているのだと思います。今後も様々なサービスが出てくることが予想されますので、楽しみに見ていきたいですね。